ロドリゲス・シュガーマン 奇跡に愛された男 ネタバレ [映画]
ロドリゲス・シュガーマン 奇跡に愛された男 ネタバレ
ロドリゲス・シュガーマンという歌手をご存知だろうか?
2月25日に開催された第85回アカデミー賞で「シュガーマン 奇跡に愛された男」が長編ドキュメンタリー症を受賞した。
そして3月7日の「奇跡体験!アンビリーバボー」で「シュガーマン 奇跡に愛された男」のネタバレとも言えるような内容が紹介された。
ロドリゲス・シュガーマンはアメリカのシンガー。
アメリカで売れたCDの数はたったの6枚。
そんなロドリゲス・シュガーマンの海賊盤レコードが、地球の裏側南アフリカ共和国に渡ったことで奇跡が起こる。
ロドリゲス・シュガーマンのレコードが海を越えた1970年代、南アフリカはアパルトヘイトという人種差別政策の真っただ中。
白人の中にも反対するものもいたが、抗議活動をすれば懲役3年の刑があり、物語の中心となるスティーブンもそのことに身動きがとれない若者の一人だった。
当時の南アフリカは人種差別政策のせいで国際社会からも孤立しており、国外の情報を仕入れるのは非常に難しい状態にあった。
そんな中で友達が持ってきた一枚の海賊盤レコード。
それこそが、ロドリゲス・シュガーマンのレコード「Cold Fact」だった。
若き日のスティーブンはその曲の歌詞に衝撃を受ける。
南アフリカではタブー視されていた政治的なメッセージが込められた歌に、これまで政府に抑圧されてきた若者たちの心は大きく動かされることとなった。
いつしかロドリゲス・シュガーマンの歌は反政府運動のテーマ曲となり、南アフリカ国民はビートルズと並ぶ世界的大スターだと信じて疑うことはなかった。
南アフリカの人種差別政策が終焉をむかえ、国外の情報が一般国民にも入るようになってきたとき、スティーブンはロドリゲス・シュガーマンがアメリカで全くの無名歌手であることを知る事になる。
なにせ、南アフリカで50万枚売れたレコードが、アメリカでは6枚しか売れていないのだから当然のことだ。
レコードショップの店主であるスティーブンと、音楽ジャーナリストのグレイクはロドリゲス・シュガーマンについて調べることになる。
しかしロドリゲス・シュガーマンの情報は全く手に入れることはできない。
そこからロドリゲス・シュガーマンは一気にナゾの男として扱われる様になる。
一説によると拳銃自殺をしたという噂もあった。
それでもスティーブンとグレイクはロドリゲス・シュガーマンについて懸命に情報を探したが全く手掛かりとなる情報にたどり着くことはできなかった。
最後の頼みにと、二人はコミュニティーサイトにロドリゲス・シュガーマンについての情報を求める告知を出した。
そして告知を出して半年が過ぎたとき、ロドリゲス・シュガーマンにあった事があるという女性から書き込みがあった。
そこで、書き込まれていた番号に電話をしてみると、本当にその女性はロドリゲス・シュガーマンにあった事があるという。
実はその女性はロドリゲス・シュガーマンの実の娘だったのである。
ロドリゲス・シュガーマンの本名はシュクスト・ディアス・ロドリゲス。
1942年生まれの当時70歳だった。
南アフリカでは超大物シンガーだと思われていた男はメキシコ系移民で、ビルの解体作業などの肉体労働で生計を立てる苦労人。
そんな、もはや普通の苦労人であるロドリゲス・シュガーマンに対して突然の電話。
そして南アフリカでのコンサートのオファー。
南アフリカに招かれたシュガーマン一家は半信半疑で現地入りをすることになる。
そこで用意されていたのは5千人収容可能な大ホール。
そしてロドリゲス・シュガーマンは全6回の公演を行い、そのすべてのチケットがソールドアウトになる熱狂ぶり。
そんな熱狂ぶりに反して、本人はいたって冷静だったという。
南アフリカでのコンサート超大成功で終えたロドリゲス・シュガーマンはアメリカに帰ると、そんな大スターの余韻に浸ることもなく、またこれまでと同じ生活に戻ったという。
その理由を聞いてみると
「ビルの解体だろうが、音楽だろうが、自分にできることにベストを尽くす。オレにできるのはそれだけだ」
と語ったという。
そんな伝説のコンサートから7年が経ち、南アフリカを訪れた一人のジャーナリストが、この話を耳にしたことで映画を製作する運びとなった。
そうやって誕生したのが、先日アカデミー賞で長編ドキュメンタリー症を受賞した「シュガーマン 奇跡に愛された男」である。
アカデミー賞という誰もが憧れる賞の受賞式当日。
そこにロドリゲス・シュガーマン本人の姿はなかった。
そのとき本人は何をしていたかというと、、、
いつものようにデトロイトの郊外で仕事をしていたという。
番組の取材スタッフが話を聞いてみると、
「オレには映画のしょうなんてかんけいないからさ。仕事の方が大事だろ。」
と当たり前のように返事が返ってきたという。
映画「シュガーマン 奇跡に愛された男」は3月16日(土)から一般公開される。
全くの異郷の地で、本人も知らないところで大人気となり、その歌が一国の政策すらも変えてしまったという話。
しかも、南アフリカでは大スターの待遇を受けたにもかかわらず、
「自分にできることにベストを尽くす。オレにできるのはそれだけだ」
といって、また元の生活に戻り、
再びアカデミー賞という大舞台で評価を受けてなお、
「オレには映画のしょうなんてかんけいないからさ。仕事の方が大事だろ。」
と言えるカッコよさ。
こんなカッコよさを是非劇場で体験してみてはいかがだろうか?
⇒・アパルトヘイトをぶっ壊すエネルギーになった局『Cold Fact』はこちら
⇒・「シュガーマン 奇跡に愛された男」のオリジナル・サウンドトラックはこちら
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